《0104》 夏の低血圧症とめまい症 [未分類]

8月は生活習慣病について書きます。

低血圧症という病気は、高血圧症の陰に隠れてあまり注目されません。
しかし、夏になると、血圧が80になり、ふらついて歩けないという方がいます。

起立性低血圧という、「立ちくらみ」を訴える患者さんも多く受診されます。
糖尿病があると「糖尿病性神経障害」による起立性低血圧と、説明はします。

血圧は、高いのは絶対的に困りますが、低いのも転倒リスクの点で困ります。
血圧を上げる薬を、毎年夏場だけに処方する患者さんも何人かおられます。

いわゆる、めまいを訴える患者さんも多く受診されます。
全く動けない方の家からは、緊急往診を日々どこかで依頼されます。

朝から晩まで、「ふらつきとめまい」に右往左往するのが、この季節です。
めまい患者さんの多くは、「良性発作性頭位めまい症」という病気です。

頭を動かすとめまいが誘発される。
右か左のどちらかを向くと楽になり、反対を向くとめまいが出ます。
めまいと吐き気は、セットになって襲ってきます。
ゲーゲー吐くので、見た目は派手ですが、基本的には良性の病気です。
もちろん詳しく診察して、脳の病気としっかり鑑別する必要がありますが。

めまいを訴える患者さんの多くは、基礎疾患を有しています。
高血圧、糖尿病、高脂血症、そして喫煙……。
要するに、動脈硬化と強く関連しています。

何もないという方は、極めて稀です。
そこに、暴飲暴食、脱水、睡眠不足、パソコンの見過ぎなどのいわゆる
不節制が引き金になって発症するようです。

めまい症の特徴は、再発しやすいことです。
また、あのめまいが襲って来るという恐怖に脅える方もおられます。

再発予防には、基礎疾患の管理と日々の節制が重要です。

低血圧と高血圧の話を同時にしてしまいました。
低血圧症という夏場特有の病気が現実にありますよ、そして高血圧症などの
結果起こる動脈硬化によるめまいが多くなる季節です、という話です。

「血圧」という自動調節機能(自律神経機能)の調子が、狂いやすい季節です。
その意味でも、皆様、くれぐれもご自愛ください。