《1503》 根強いビタミン信仰 [未分類]

昨日、「ビタミン剤を飲んでもがん予防には
 ならない」という米国の勧告を紹介しました。
ビタミン信者さんには残念な話ですみません。

というのも、マルチビタミンのいう名前の様々な
ビタミンが入ったサプリメントを飲んでいる人が来院し
自慢げに見せられた時に、思わずそう話してしまいました。

心筋梗塞にも脳梗塞にも認知症の予防にも役立たない。
末期がんへの点滴の効果については、私は知りません。
いずれにせよ、明らかな効果は期待できないようです。

ビタミン欠乏症を診ることは年に1度か2度くらいです。
アルコール依存症の方のビタミンB2欠乏(ウケルニッケ脳症)と、
胃切除後のビタミンB12欠乏症(悪性貧血)くらいです。

医学部では、ビタミンB1欠乏症=兵士がなる脚気、
ビタミンC欠乏症=壊血病、と習った記憶があります。
しかし両者とも、まだ一度も診たことがありません。

神経痛にはビタミンB12が保険適応になっていますが、
正直、効いているのかどうか分らない人が大半です。
効いていると言っても、プラセーボ効果かもしれません。

それでも、ついつい頼ってしまうのがビタミン剤なのか。
そういう私も先日とても疲れた日に気がついたら自動販売機で
「レモン50個分のビタミンC」のボタンを押していました。