《1507》 受動喫煙に悩む女性たち [未分類]

6月6日まで、「禁煙週間」が続いています。
これは世界保健機構(WHO)の呼びかけです。
今日は、受動喫煙の話をさせていただきます。

毎日、咳を訴えて受診される方が10人はいます。
タバコを吸う方もおられますが吸わない方も多い。
よく問診すると、受動喫煙で悩む女性が多いです。

ご主人が家で吸う場合とタバコ職場で働く女性です。
パチンコや飲食店で働いている女性が悩みを訴えます。
職場を辞めるか、どうかという相談になる場合もある。

こうした相談を受けるたびに、どちらの責任?と思います。
たばこ規制枠組み条約(FCTC)で、受動喫煙は禁止されています。
しかし日本では「分煙」という言葉で済まされています。

あるいは、意図的に「すり替え」が行われています。
さらに「マナーの問題」にもすり替えられています。
しかしそもそも、受動喫煙させる方が悪いのです。

言うまでもなく、タバコはがんのリスクを上げます。
肺がんのリスクは、喫煙者は数倍上がります。
受動喫煙の場合でも2倍上がります。

タバコの煙には60種類もの発がん物質が含まれています。
発がん物質によっては副流煙のほうが数倍多く含まれています。
これは子供の方がよく知っていて大人が知らない事実です。

ちなみに受動喫煙は100ミリシーベルトの被ばくに相当します。
放射線被曝には一生懸命なのに、受動喫煙には何故か超寛容です。
どうしてなのかは私も分りません。

旦那さんがタバコを吸う場合は夫婦で禁煙治療を勧めます。
ですから、その機が来るまで、じっと待ちます。
禁煙外来に来るようにじっくり、お話をします。

タバコ問題は、個人の健康被害だけではありません。
受動喫煙被害による損失も含まれます。
がんや心筋梗塞や脳卒中の医療費も含みます。

すなわち社会全体の問題であると、認識する必要があります。
これを高校生に講義すると、いちばん困る質問が飛んできます。
「なぜそんな悪いものを、国は許しているのですか?」

「……」。