《1511》 尊厳死議論の行方は? [未分類]

一昨日の午後、私は自民党の党本部にいました。
政府与党内での尊厳死を巡る議論を傍聴したり、
国会議員さんに尊厳死の講演をしたりしていました。

生まれて初めて自民党本部という場所に入りました。
テレビでよく見る議員さんたちが忙しそうに往来していました。
あちこちに、テレビカメラやメディアの方が構えていました。

「終末期の医療における患者さんの意思を尊重する法律案」について、
自民党の国会議員さんたちが熱心に議論されていました。
法律を作るのが国会議員さんの仕事ですから当たり前かもしれませんが。

私は会場の片隅で黙って聞いているだけの立場だったのですが、
議員さんの発言の度に、内心さまざまな思いで聞いていました。
この議論は大変残念ながら2年間、完全に膠(こう)着状態のままです。

その法律案の行方については、議論を聞いた限りにおいては停滞です。
政権与党なのでさらにいろんな議論を重ねることになるのでしょう。
この先、何年間も気が遠くなるような議論になる予感がしました。

台湾の「安寧緩和医療条例」に尽力された趙可式教授は、
20年間ロビー活動をされたと聞かされ、驚いたばかり。
生命倫理に関する法律案は十分な国民的議論が必要です。

90分間、黙って聞いていましたが、終了後、別の階で偶然にも、
「人生の最終段階の医療」についての講演依頼を受けていました 。
直前に温めていた90分間の思いをしっかり話す、つもりでした。

しかしイザ、大物議員さんたちを前に実際にお話を始めると、
なんだかいつもと違う緊張に包まれている自分に気がつきました。
持ち前の「上がり症」が、ここでやはり顔を出してしまいました。

1時間強、一生懸命、プレゼンをしました。
しかし、いつもと何かが違う。
思うように話ができない・・・。

55歳になっても、「上がり症」は治りません。
スポーツの世界では15歳が優勝して堂々とスピーチをしてるのに。
いい年をして我ながら自分の非力さがちょっと情けなくなりました。

自分なりに限られた時間で、一生懸命、準備をしたつもりです。
しかし忙しい国会議員を前にすると、頭が真っ白になりました。
素人なので、まあこんなものかもしれませんね。

その夜、埼玉県和光市での介護予防の取り組みの話を聞きました。
その中心におられる方の介護予防にかける情熱は素晴らしかった。
落ち込んだり、感激したり、忙しい休日(私にとっては)でした。

明日6月8日の午後は、東京・六本木の政策研究大学院大学で
「第3回日本リビングウイル研究会」が開催されます。
テーマは、「生かされなかったリビングウイル」です。

そのご家族たちの思いを聞くとたぶん、
「もっと頭を使って頑張ろう」という気になると思います。
リビングウイル研究会の様子はまたご報告したいと思います。