《1517》 室内熱中症の季節がやってきた [未分類]

天気が不順です。
まだ6月なのに北海道で真夏日が続いたり、
大きな気候や気温の変動が報道されています。

地球温暖化なのか、はたまた地球寒冷化なのか
よく分らない時があります。
ちなみにGWに行った台湾は予想外の寒さでした。

さて、独居の高齢者を訪問しますと脱水症に陥りかけて
いると思われる方が時々おられます。
室内熱中症の一歩手前です。

高齢者の中には意識的に水分を取らない方がおられます。
トイレに行く回数を減らすため、自然とそうなるそうです。
舌を観察するといつも渇いていて、脱水傾向にあります。

一応、水分を少し多めに取るようにアドバイスしますが
長年の習慣はそう簡単には改まりません。
こちらもしつこく言うと嫌われるので、適当に言います。

高齢者は、潜在的脱水状態にあります。

人間は生まれた時の水分含量は8割。
成人したら6割で、高齢者は5割に。
そして平穏死寸前は、4割まで。

人生とは、水分含量が8割から4割に
80年かけて減る脱水への旅である、と説明しています。
そして、人生の最終段階における「脱水は友」であると。

脱水があるから心不全になりにくい。
脱水があるから痰がゼコゼコしない。
脱水があるから無駄な代謝が無く長生きすると。

高齢の在宅患者さんの脱水の半分は、生理的なものです。
そこに室温の上昇による脱水が加わります。
従って、脱水の程度ということになります。

普段よりぐったりしていたら水分の摂取を促しますが、
普段と同じであるなら、あまりしつこくは言いません。
ヘルパーさんは全員に「もっと水分を」と勧めていますが。

軽度の脱水には、経口補水療法で対処します。
塩分を含むトロミ状の水が適しています。
それをチビチビ補給してもらいます。

昨年、独居老人の脱水死が報道されました。
それ以来、脱水対策が盛んに謳われます。
高齢者は「顔色を診ながら」上手に対応したいものです。