《1520》 「おくりびと」の地で看取りびとの講演 [未分類]

サッカー日本代表は
飛行機に乗るまでは勝っていましたが、
飛行機を降りたら負けていました。
昨日から山形県鶴岡市に来ています。

この原稿は、東京第一ホテル鶴岡の屋上にある天然温泉横の
休憩室で書いています。
なぜ鶴岡なのに「東京」なのかは、よく分かりませんが。

鶴岡市は人口13.5万人の町。
講演会場は鶴岡メタボロームキャンパスという
慶応大学の研究施設のレクチャールームでした。

メタボロームとは細胞内の代謝産物を解析して
医療や予防に役立てようという最近の領域です。
広大な水田の中にこうした研究施設があります。

南庄内地区の医療介護職など200人以上の方に
3時間以上の平穏死の講演を熱心に聞いて頂きました。
3時間位頂くと、話したいことの6割くらい話せます。

その後の懇親会で鶴岡地区医師会の皆さまと、
さらに3時間以上、さまざまな話をさせていただきました。
合計6時間以上かかって、話したいことの8割位です。

自分がいかに要領の悪い人間なのかよく分かります。
書店に行けば「1分や3分で伝える方法」なんて本が並んでいますが、
その100倍もの時間を使って8割。

しかし鶴岡に来た収穫がいっぱいありました。
鶴岡の人はみなさんとてもおおらかです。
米は旨い、魚は旨い、酒は旨いで、言う事なしです。

隣の酒田市は映画「おくりびと」の舞台だと聞きました。
あの映画の感動的な背景は、鳥海山だと知りました。
その映画には、医師も看護師も一切登場しないのがいい。

そうした地で「穏やかな最期に医者はいらない」と講演。
しかし本当にここにいると、本当にホッとします。
会う人、会う人が、みなさんおおらかななのです。

おくりびとの地で看取りびとの講演。
納棺師の地元で納棺体験の話を披露。
月山を見上げながら昔話もしました。

鶴岡地区の地域包括ケアのお役にちょっとでも立てれば本当に嬉しいと、
幸せな気持ちになりました。
6時間話して医師会長に「また来てほしい」と言われました。

米沢から聞きに来られた方にも講演を依頼されました。
行ったことがないのでどんな位置関係か分かりません。
これで講演に行ったことがないのは秋田と青森だけに。

サッカーは残念でしたが、今日はスッキリした日でした。
私はトロいので普通の人より時間が必要だと思いました。
明朝は7時の飛行機で帰阪して、往診からスタートです。