《1524》 臨床と勉強の両立は難しい [未分類]

昨夜は兵庫県肝疾患診療連携フォーラムに
2時間半、神戸で缶詰めになっていました。
なにを差し置いても参加すべき研修会です。

というのも「肝炎対策基本法」が制定されて
B型肝炎やC型肝炎の治療が公費で受けられる。
1カ月の自己負担の上限は、通常1万円です。

つまり医療費の残りは公費で負担してくれます。
ただし、いくつかの条件が定められています。
まずは肝炎拠点病院を通さないといけません。

B型肝炎もC型肝炎も治療は肝炎拠点病院で
始まりますが、その後の治療は多くの場合、
地域の開業医で行われます。

しかしその開業医が指定講習を受けていなければ
患者さんは肝炎助成の対象とはなりません。
従って実質的にこの講習を受けないと治療ができない。

現在、当院で数人の患者さんがインターフェロン治療や
飲み薬の治療を受けておられます。
もちろん肝炎拠点病院との連携に基づいた治療です。

「なにを差し置いても」と書いたのはそんな事情です。
この講習会は、兵庫県が主催者です。
おそらく日本全国で行われているはずです。

指定研修会は兵庫県内で年に3回くらい開催されています。
2年間に最低3回、研修を受けないと指定を受けられません。
私は忙しくて最近受けられなかったので、今回がリミットです。

この講習会は、遅刻は許されません。
まさに2時間半、缶詰めになり3人の講師の講演を聞きます。
講習が終了したら受講票を提出します。

以前、緊急往診で10分位遅れたら会場に入れてもらえなかった。
それに抗議したら、次回のその指定講習会の講師をしてくれ、と
逆に講義を依頼され、渋々引き受けたこともありました。

講習会場では、300人位の医師がビッチリ受講しています。
肝臓専門医もいれば、非専門医もたくさんいるようです。
みなさん寝ずに熱心に聞いています。

医学は日進月歩ですから5年間で浦島太郎になります。
最新の知識を得るには、いい機会なのかもしれません。
公費で肝炎治療を受けるためにはこの講習の受講が必須。

しかし在宅患者さんからの携帯電話が、何度も鳴ります。
電話に出ないと「24時間対応」の約束違反になります。
その度に、部屋の外に出してもらい、対応しています。

指定講習中の電話対応は辛いものです。
しかし患者さんは、もっと辛いのです。
臨床と勉強の両立は現実には難しいと感じています。