肝臓がんの8割は、C型肝炎から発生しています。
慢性肝炎から肝硬変に進展すればするほど発生します。
逆に言えば、C型肝炎が無ければ肝臓がんはできにくい。
C型肝炎という名前を聞いたのは医師になって4年目でした。
研修医のころは、「非A非B型肝炎」と呼ばれていました。
その後、そのほとんどがC型肝炎であることが分かりました。
20年前、まだ勤務医だった時、インターフェロン治療は
まだ保険適応でなかったので自費診療で行われていました。
何百万円も払って治療を受けている人もいました。
しかし完治した人はわずか3%でした。
100人治療して、ウイルスが消えたのはわずか3人。
当時は、とても成功率が低い治療法でした。
その後、保険適応になりました。
そしてインターフェロンの投与期間が半年から1年に延びた結果、
治療の成功率がなんと10倍にも向上しました。
その後、インターフェロン注射と飲み薬の併用療法が開発され
治療の成功率が一挙に、5~6割まで向上しました。
すごいことです。
そして現在は、インターフェロン注射と2種類の飲み薬の
三つの併用療法で、成功率はなんと8~9割まで向上しています。
C型肝炎の根治療法は、この20年間でものすごい進歩です。
さらに一昨日の講演を聞いていると、近い将来、
治癒率が9割を超える飲み薬が登場するそうです。
海外ではすでに臨床試験の優れた結果が出ています。
ソフォスブビルという名前の薬などです。
この薬は飲み薬です。
つまりインターフェロンが要らなくなる!?
夢のような本当の話、だと思いました。
ただしひとつ問題があります。
その薬の値段がもの凄く高いそうです。
そうなるとどこまで公費で治療費を賄えるかどうか。
その時になってみないと分からないことでしょう。
いずれにせよC型肝炎の治療薬の最終型が真近です。
現在、がん対策費のうち多くのお金が肝がん予防に使われています。
これは法律に基づいた国家戦略です。
C型肝炎を放置されている方は、是非、かかりつけ医に相談ください。