《1529》 胃ろうか、鼻からチューブか (Q&Aその2) [未分類]

鼻からチューブがいいのか、
胃ろうのほうがいいのか、
という質問もよく頂きます。

胃ろう、に決まっています。
もし自分が鼻から管が入っていたらどうか、
想像してみてください。

見た目だけではなく、鼻や喉にずっと異物感がある。
あっ、異物感ではなく、異物でしたね。
これが入れっぱなしになると相当辛いと思います。

ではなぜ、鼻からチューブを入れるのでしょうか?
いくつかの理由、ケースがあるように思います。

  1. 胃ろう作成までのつなぎとして使う時
  2. 解剖学的な理由で胃ろうが造れない時
  3. 人工栄養を要する期間が短いと予想される時
  4. 胃ろうを造るための入院を、誰かが嫌がる時
  5. 家族がかたくなに鼻からチューブを希望する時

1~3は、鼻からチューブの使い方として問題ありません。
4は、さらにいろんな場合があります。

  • 胃ろう造設のために入院すると患者さんが暴れる時
  • 病院や施設長が、他の病院に紹介するのを嫌がる時
  • 家族が、「入院」そのものを嫌がる時

    などです。

問題は5です。
胃ろうは、最も優れた人工栄養法です。
しかし昨今のマスコミ報道で、市民に誤解が生まれた。

つまり、胃ろうは悪いもの→しかし人工栄養はやってほしい
→やるなら、鼻からチューブか高カロリー点滴ならいい、と。
そんな誤解が蔓延して、医療現場はみんな困っています。

昨年、日本の胃ろうの新規造設数は減ったそうです。
しかし、鼻からチューブや高カロリー点滴は増えている?
人工栄養の総数としたら減っていないのが現実ではないか。

以上のことを基礎知識として、本人も家族も後悔のない
胃ろうに関する選択をして欲しいと願います。
もちろん「胃ろうはしない」という意思表示も尊重すべきです。