拙書「胃ろうという選択、しない選択」の帯には、
「ハッピーな胃ろうとアンパッピーな胃ろうがある」
と書かれています。
その「ハッピーな胃ろう」とは何か?
とよく聞かれます。
それは、
- 胃ろうがあっても、口から食べられる
- 元気になって胃ろうが不要になること
- 口から半分、足りない半分を胃ろうから
などなど。
要するに、胃ろうがあっても
口から食べられる状態を「ハッピー」と表現しました。
そもそも、生きる喜びのひとつは食べることです。
そんなこと当たり前、と思われるかもしれませんが、
現場では、そんな当たり前のことが忘れ去られています。
いい悪いというより、それが現実です。
だから「胃ろうをしたいのですが、いいですか?」
なんて質問をご家族から頂くと、
「いいですよ。でもハッピーな胃ろうにしてね」と答えます。
しかし病院から戻ってきた時には、
「絶対食べたらダメ、一生食べたらダメ、
食べたら死ぬよ」ときつく言われて帰って来る場合が多い。
本来は、胃ろうを造設した時から、嚥下リハビリと口腔ケア
を行う必要があるのですが、未熟な医師はそれを知らないのです。
胃ろうを無事に造ることまでは一生懸命で、そこで終わるのです。