《1538》 保険が効く栄養剤、効かない栄養剤 (Q&Aその11) [未分類]

家では、胃ろうからの栄養剤は健康保険が効いたのに、
入院したら家族が売店で買って来るように言われたが?
これも、よく聞かれる質問です。

本当の話です。
場所によって、同じような栄養剤であっても保険が効いたり
効かなかったりすることがあります。

在宅医療は「出来高制」ですが、
病院医療は「包括制」なので
そのような現象が起きます。

もう少し分り易く、説明しましょう。
家では、栄養剤を処方しても、それに対して保険が効きます。
しかし多くの病院は包括制なので、少し話が異なってきます。

包括制とは、マルメのこと。
パック料金と考えてください。
通常のすし屋さんと、食べ放題のすし屋さん。

通常のお寿司屋さんは、食べただけ値段がかかります。
一方、食べ放題のお寿司屋さんは、沢山食べられるほど
消費者は得ですがサービスを提供する側は損になります。

要は、出来高制と包括制は真逆なのです。

包括制の病院では、食費は実費を自己負担です。
これと同じように、栄養剤も自己負担なのです。
従って栄養剤と呼ばずに食品という呼び名です。

胃ろう栄養のまま、入退院を繰り返す人がいます。
経済的に余裕のある方は、病院での栄養剤に統一して
自宅に帰っても自費でその栄養剤を買ってもらいます。

しかし経済的に困窮している方には、家に帰ると
食品から、保険の効く栄養剤にその都度変えています。
面倒くさいですが、制度に従うとこうなります。

食品も栄養剤も内容はだいたい同じようなものです。
しかし最近、多くの食品が出てとても覚えきれません。
栄養剤のほうは厳しい審査があるので新製品はそう出ません。