《1539》 胃ろう栄養剤は液体? 半固形? (Q&Aその12) [未分類]

胃ろうの慢性的な合併症は結構あります。

  1. 胃ろうの周りが赤くなること
  2. 栄養剤が胃ろうの周囲から出て来ること
  3. 嘔吐や下痢

などでしょうか

(1)は、胃ろうと皮膚の間に余裕が無い時に起きるもので、
適度な隙間が必要です。
また普段から、胃ろうをグルグル回すことが大切です。

(2)や(3)には、栄養剤の半固形化を行います。
液体栄養剤を、プリンのような形にすることです。
すると嘔吐や下痢が少なくなります。

なぜか?

それは食事の形状を普通にすることで生理的になるから。
通常は、液体栄養で生きている人などどこにもいません。
みなさまは、固形ないし半固形物を食べて生きています。

ということで可能であればプリンのように半固形化された
栄養剤にしていこうというのが最近の大きなトレンドです。
家族に半固形化のメリットを根気よく説明し、変更を促す。

有名なあのラコールを寒天で固めた食品がハイネゼリー。
同じく寒天で固めた栄養剤は、ラコール半固形といいます。
昨日述べたように、栄養剤の方は健康保険が適用できます。

しかし入院中の人の栄養剤は、保険を使わないことが多い。
つまり、入院中=保険が効かないラコール(ハイネゼリー)で、
退院後の在宅=保険が効くラコール(ラコール半固形)。

療養の場によって使う栄養剤が変わるのは仕方がありません。
一方、液体のエンシュアリキッドの場合でも、
お鍋で寒天を加えて温めることで固形化が可能です。

栄養剤の固形化のメリットは注入時間が大幅短縮できること。
1回の注入に1時間以上かかっていたのが、たった5分に。
みなさん驚きます。

しかし牛丼屋さんの丼を何分で食べていると思いますか?
測ってみると、平均5分程度だそうです。
牛丼でも5分ですから、プリンが5分でも問題ないのです。

時代は、大きく半固形に変わってきています。