《1546》 医療法人と社会福祉法人 [未分類]

「医療法人」というものがあります。
医療を行う法人(会社)です。
法人は1人ではできません。

開業医は、個人か医療法人のどちらかです。
病院も同様です。
医療法人になるためには、実績が必要です。

私は平成7年7月7日に個人クリニックで開業し、
(本当は7月1日付けですが、気持ち的には7日)
平成11年11月1日に医療法人になりました。

医療法人になる時に言われたことを2つ覚えています。
・継続的に活動すること
・地域医療に貢献すること

この「地域医療に貢献」という意味が恥ずかしながら、
最近になって少しづつ分ってきたような気がします。
当時は、ほとんど分かっていませんでした。

地域貢献とは、社会貢献のことです。
社会とは、法人(会社)の外に貢献することです。
自分の会社だけ良ければいいという考えではダメです。

さて、介護の世界には社会福祉法人というものがある。
医療と同じで株式会社のように利益を分配できません。
従って「内部留保」という形で利益は貯めていきます。

その結果、社会福祉法人には大きな内部留保金が
あることが先日、公表され議論が喚起されました。
社会福祉法人は地域貢献しなさいとのメッセージ。

一般の方には、意味が分かりにくいかもしれません。
社会貢献、という縛りは、医療法人も同じことです。
一般の企業とは、そこがいちばん違うところです。

私の医療法人は様々な市民啓発活動をやっています。
先日のイベント「いのちのおわりを考える」も同様。
患者さん以外の市民に何ができるか?考えています。

最近、「ホールデイングス」という概念が出て来ました。
医療や介護の法人同士が一緒になって経営することです。
しかし医療法人も社会福祉法人も「非営利」が土台です。

ただ非営利であっても、赤字であれば存続できません。
黒字を維持するためには、経営という発想が必要です。
利益を目的としない「経営」というものがあるのです。

利益が目的ではないが、存続はさせなければならない。
そしてしっかり社会貢献をしなければならない。
医療法人も社会福祉法人も大きな社会的責務があります。

今後、地域包括ケアといって、「地域が病院」という発想に
転換しないと、医療介護は維持できなくなってきました。
地域における医療と介護の連携が強く求められています。

医療法人と社会福祉法人はもっと交流するべきである。
井の中の蛙であってはいけない。
一昨日の講演後、強くそう感じました。

PS)
今日から第22回日本ホスピス在宅ケア研究会です。
午後は、4時間のイベントの司会が当たっています。
全国の医療介護の仲間たちと意見交換をしてきます。