《1548》 エンデイングノートの向こう側 [未分類]

13日は第22回日本ホスピス・在宅ケア研究会の2日目の
最後のプログラム・市民公開講座の司会を拝命しました。

演者は、流通ジャーナリストの故・金子哲雄氏の奥さまの金子稚子さん。
演題は、「死後のプロデュースーエンデイングノートの向こうにあるものー」

哲雄さんは、一昨年の10月に肺カルチノイドで
ご自宅で旅立たれました。
最期まで、友人たちとパーテイを開いていたそうです。

哲雄さんが在宅療養を選択したのはちょうどその時に
拙書「平穏死10の条件」が、出で彼がそれを読んだから。
講演の中で奥さまがそう話され、不思議なご縁を感じました。

それにしても、いやー、実に感動的な講演でした。
自らの介護体験、伴侶との死別、死の周辺における
生々しい声は、医療者全員に聞いて欲しい内容でした。

「死」が怖いのではなく、「死んだあとのこと」が怖い、
ということに気がつくまでの葛藤が印象的でした。
そして、「死」は通過点に過ぎない、と結ばれました。

エンデイングノートを一生懸命に書くことよりも、
死の向こう側を自己決定することが大切だと。
自分が死んだ後も、ちゃんとプロデュースできると。

一昨日の「巻子の言霊」の木内みどりさんのコメントといい
昨日の金子稚子さんの講演といい、学ぶことが満載でした。
ちなみに来年の大会は8月29、30日に横浜で開催です。

実は、この大会で思わぬ収穫がもう一つありました。
それは、認知症医療界で有名な名古屋フォレストクリニックの
河野和彦先生と長時間お話したことです。

(続く)