《1553》 漢方は「和」と「中庸」を目指している [未分類]

昨日の続きです。
漢方とは、「和」の思想です。
2元論や極論ではありません。

現在、日本医療には、極論が溢れています。
抗がん剤を使うべきか、全く使わないべきか。
がんの手術を受けるか、受けないで放置するのか。

肉を食べるべきか、一切食べないべきか。
炭水化物は食べるべきか、全く控えるべきか。
1日3食なのか、1食にすべきか。

答えは、簡単です。
ケースバイケースで、その人に適したやりかたを選ぶべき。
食事であればバランスよく美味しく食べれば何も問題ない。

なのに、みなさん極論に飛びつきます。
バナナがいいとなれば、バナナが売り切れ、
みかんがいいとなれば、みかんが売り切れる……

がんが食事療法だけで治るのなら、誰も苦労しません。
ふくらはぎを揉むだけで健康維持できるのなら悩み無し。
しかしみなさん、分かっていても極論に頼ってしまいがち。

極論の怖さは、歴史を振り返れば明らかです。

さて、漢方は極論の医学ではなく「中庸の医学」だと思います。
万人への中庸ではなくて、その時の本人にとっての中庸です。
「証」という概念を用いたその人の体質を考慮した医学です。

化学物質ではなく、生薬という植物が原料です。
大量生産できない点でも、西洋薬とまったく異なります。
大きな声では言えませんが、保険収載の漢方薬は赤字のものもある。

これからは漢方の時代だと思います。

日本医療の歴史を振り返り、時間の長さからいうと、
漢方薬 vs 西洋薬は、1500年 vs 150年です。
在宅医療 vs 病院医療は、1500年 vs 50年です。

なぜ漢方が在宅医療と相性がいいのか、
なんとなく分かっていただければ幸いです。
歳を取って在宅医療になれば、漢方薬に収斂していいいのです。