ある在宅患者さんを訪問すると、部屋がムッとしていた。
エアコンのリモコンをよく見ると暖房になっていました。
夏になるとよく見られる光景です。
真夏に暖房しても気がつかない高齢者はたくさんいます。
ちょと認知症が入ってきているのでしょうか。
温度感覚が鈍くなってきているのです。
コートを着てコタツに入っている人もいます。
それで「寒い、寒い」と震えています。
甲状腺機能低下症を疑いましたが、ホルモンは正常でした。
歳を取ると基礎代謝が低下するのです。
平熱が35度台の方が沢山おられます。
だから、あまり不思議ではないのです。
先日、産業医としてある電力会社の職場巡視をしました。
どの部屋も熱気ムンムンでした。
温度計を見ると、30度を軽く超えていました。
空調の設定は、28度ないし29度になっていました。
その設定だと、かえって暑いので窓を開けている部屋もあります。
その方が涼しいので、何のための冷房か分かりません。
ランニングシャツ一丁で働いている職員もいます。
そういえば昔、ランニング一丁で診察していた医者もいた。
私も気がつけばランニング一丁で診察しそうになる時がある。
会社の外に出てみました。
夕方の涼しい風が吹いていました。
冷房が入っている室内より、屋外のほうがずっと涼しかったです。
冷房と暖房のスイッチを間違えている人を笑えないと思いました。
この季節、上手にお過ごしください。