《1559》 一剤中止で、別人のように回復 [未分類]

先日、80歳代の女性の往診を依頼されました。
話をしないで、寝てばかりいるとのことでした。
私が伺った時にはソファーにボーっと座っていました。

専門病院でパーキンソン病と診断され投薬を受けていた。
幻視があるようなのでレビー小体型認知症の合併もある。
パーキンソン病とレビーはとても似た病気なのです。

お薬手帳を見せていただくと他にもたくさんのお薬が出ていました。
全部で10種類以上の薬が出るも、半分しか飲んでないと。
こうした人が結構多くいます。

私はその中でもきつい向精神薬を中止するようにいいました。
おそらく以前にかなり興奮がありその時に処方されたのかな。
現在は会話できず歩けないので必要は無いと判断されました。

1週間後に訪問すると、驚くほどの変化がありました。
目があった瞬間に二コっと笑い、大きな声で話をした。
家族は「信じられない」と驚いていました。

私がやったことは、たったひとつの薬をやめただけです。
たったそれだけで、こんなにも感謝されるとは不思議な気分。
実は、似たようなことが時々あります。

毎日、多剤投薬との格闘です。
病院から紹介されてくる患者さんの薬がとても多い。
10種類は当たり前で、20種類を超える人も時々います。

もう、麻痺しているのでしょうね。
どう考えても異常です。
多剤投薬は、医療者と患者が協働して取り組む問題だと思います。