《1573》 4つの薬以外に、希望の見える薬がある!? [未分類]

アルツハイマー型認知症の薬として4種類の薬が保険で使える時代です。
診断と投与量と病期の3つが合っていたら利益を得られる可能性があります。
お薬で認知症の進行を抑える可能性があるという意味です。

じゃあ、認知症になるのを予防できるのか?
そもそも、予防医療には保険適応もなければエビデンスも知りませんが、
私は、人によっては『予防効果がある可能性がある』と考えています。

第一、認知症と予備群をどこで区別するのか不勉強で知りません。
生活に困れば認知症で、困らなければ予備群であると思っています。
これはあくまで、素人の町医者の個人的意見です。

医療機関に来られるということは、大なり小なり「困っている」ことが
あるからで、その意味では認知症と呼んでいいのかなと思っています。
ただし、困っているのが本人なのか家族なのか、という問題もありますが。

さて、4つの薬以外に『希望の見える薬』が少し見えてきました。
テレビでも紹介されましたが、シロスタゾール(プレタール)と、
あのインスリンです。

ただし、インスリンは鼻からの吸入薬に限り、これは2020年ごろに
日本でも使えるようになるのではないか、との報道でした。
となると、現時点では既存薬の中ではシロスタゾールが最有力候補です。

シロスタゾールは以前からそのようなデータが出ていたのですが、
今回のテレビ報道で、にわかに一般の脚光を浴びた感があります。
たしかに効くのでしょうが、過度な期待は禁物だと思います。

薬物より大切なのは、やはり生活習慣の改善だと思います。
バランスがいい、カロリーオーバーにならない食事と有酸素運動。
そして頭を使う生活習慣に優る予防法はないでしょう。

健康食品のフェラル酸(フェルガード)も有力な候補だと思います。
先週末、国立病院機構菊池病院の木村武実先生は、認知症治療研究会
において認知症予備群の人にフェラル酸を投与した成績を発表しました。

有意差は出ていませんでしたが、効果がある可能性が示唆されました。
同様な有望とされる健康食品がいくつかありますが、効くか効かないか
については、はっきり分かっているものは無い、のではないでしょうか。

4種類の抗認知症薬も同様です。
つまりエビデンスベースでいえば、予防できる可能性がある薬剤
としてはやはりシロスタゾールだけとなるのでしょうか。