《1620》 英国の意思能力法 (The Mental Capacity Act 2005) [未分類]

昨日、第3回リビングウイル検討会が開催されました。
認知症になった時の自己決定はどうすればいいのかに
ついて、有識者が集まり様々な議論が交わされました。

これは、とても難しい問題であることがよく分かりました。
しかし日本版のリビングウイルの在り方を模索するうえで
とても参考になる海外の取り組みを知ることができました。

英国では、2005年意思能力法(The Mental Capacity Act 2005)
という法律が制定、施行されています。

それまでは後見人の代行行為は財産管理に限られていましたが
「持続的代理権授与法1985年」(わが国後見制度のモデル)を全面改正して、
身上監護を含む広範な権利擁護法制として2007年10月から施行されています。

「能力を欠く」人には選任された後見人が、生活全般に対する意思決定や医療行為
に対する同意および拒否など、本人の身上に関する決定を支援する制度です。
ただし、「能力がある」という基本原則があります。

つまり本人には能力があるという前提に立ち、本人が決定できない部分に限って
後見人が支援するという考え方なのです。
本人に意思決定能力がないと法的に判断することに、極めて慎重な法律なのです。

判断能力が不十分でもできるだけ自己決定できるできる法的な枠組みと言えます。
つまりある物事に対しては意思決定能力が欠けても、ほかの物事にはその能力が
あるかもしれない、という考えに立脚しています。

ある時点では能力が欠けても、ある時点にはあるかもしれない……

実は先日、独立運動が話題になったスコットランドでは、
意思決定に関する法律がイングランドと異なることも知りました。
「意思能力法」の適用地域は、国内でもイングランド、ウェールズです。

スコットランドにはこれに先がけて制定されていた同様の理念の
「Adult with Incapacity(Scotland)ACT 2000」があります。
国の独立運動の前に、法律が独立して制定・施行されていました。