《1701》 介護者がウイルス感染を媒介 [未分類]

厳しい寒さが続きますが、いかがお過ごしですか。
これだけ寒いと、仕事にならない人も多いのでは。
医療機関は、風邪の患者さんでごった返していますが。

さて先日、独居の寝たきり患者さんから電話がありました。

「先生、熱が38度5分出ました!」

急いで往診すると、典型的な“インフルエンザ顔”でした。
その場で訪問看護ステーションの看護師に電話で相談したら、
こう言われました。

「ワクチンは打っているし、だいいちあの家には誰も出入りして
いないので、インフルが家に侵入するわけがないわ!」

患者に発熱前の様子を詳しく聞くと、
「前日の夕方に咳をしたヘルパーさんが入って来られたが
夜中から気分が悪くなった」とのこと。

風邪薬を処方して、1日様子を見ましたが、
しかし翌日には39度まで発熱して、呼吸困難に。
急いで簡易検査をしたら、案の定、陽性でした。

ただちに、ラピアクタという特効薬の点滴をしました。

いくら聞いても、前日その家に出入りたのは、1人だけでした。
咳をしているヘルパーさんがインフルを持って入ったようです。
しかもそのヘルパーさんは、マスクをしていなかったそうです。

マスクをしていると「風邪?」と聞かれるので、それが煩わし
かったのかもしれません。
いずれにせよ、その家では、犯人が特定されてしまいました。

患者さんは1日で解熱しましたが、今度は激しい下痢に。
まさに弱り目にたたり目でしが、幸いに改善されました。
インフルワクチンを受けていたけど、インフルに感染されました。

我々医療者や介護者は、自分がウイルスの媒介者にならないように
気をつけないといけません。
これは、外来診療でも同じことです。

こまめな手洗いに加えて、マスクも活用すべきでしょう。
本来は、衣服への付着にも配慮する必要があります。
花粉症の花粉を払い落すような作業もするべきです。

寝たきりの在宅患者さんがインフルに罹れば結構大変です。
そのような人には、タミフルや吸入薬ではなく、点滴薬で
治療しますが、そうした備えをしておくことも大切です。

みなさま、乗り物内や人ごみにはくれぐれも気をつけて下さい。