《1744》 もっと在宅医療を知って欲しい [未分類]

在宅医療という言葉を聞いたことがある人は多いでしょう。
しかし在宅医療を知っている人は、ほとんどいません。
自分自身や家族がそれを受ける状況になるまで、関心は薄い。

私は、外来診療の合間に在宅医療もやる町医者です。
町医者とは、元来、そのような職種です。
通院している人が通えなくなれば、自然に在宅医療になる。

それ以外に病院から紹介されて在宅医療が始まる人もいます。
在宅医療は、信頼関係が最も重要なのですが、病院から紹介
されてくる人や家族と信頼関係を築くには、1ケ月くらいかかります。

在宅医療は、最初はあまり信頼されません。
病院医療は、誰でもたいてい知っています。
しかし在宅医療はあまり知らないので、信頼されないのです。

新規の在宅患者さんを訪問すると、在宅医療のイロハから
説明しなければいけないので、1~2時間かかります。
帰宅すると日付が変わっていることもあります。

何百回も同じことを説明しますが、結構な労力です。
それで在宅医療の本をたくさん書いたのですが、本を読んでから
在宅医療を依頼される方は、非常にまれです。

在宅医療や在宅ホスピスや在宅緩和ケアや看取りの説明を
丁寧にしていくと1日に何時間あっても足りなくなります。
説明だけで、エネルギーが切れそうになることもあります。

仕組みの説明だけでそうですから、看取りの説明となると
これまた家族ごとに、1時間ずつかかることもあります。
時間をかけて理解して頂ければいいが理解されないことも。

かなうならば、小学生から在宅医療やがんや認知症に
ついての基礎知識を教えるべきではないでしょうか。
その時になってからでは遅い、といつも思います。