《1756》 近藤誠氏とダブル講演しました [未分類]

昨日は、愛媛県で近藤誠氏とダブル講演しました。
近藤氏は、愛媛県西条市のお役人さん。
認知症ケアに大変造詣の深い友人です。

実は、昨年末に発売された近藤誠氏との共著
家族よ、ボケと闘うな! 誤診・誤処方だらけの認知症医療
という本が1カ月で5刷りになり、多くの支持を頂いています。

内容は、タイトルに書いてあるとおり。
表紙の「ハシビロコウ」という鳥は、動かない鳥として有名です。
しかし肝心な時には動く、見た目よりずっと考えている哲学的な鳥。

実は、ハシビロコウのような認知症の方が多いのです。
しかし、家族に無理やり病院に連れていかれて薬を飲まされ、
転倒して骨折して入院を契機に、寝たきり、胃ろうへ……

家族が下手に闘ったために、平和な本人の人生の最終章が
本人のかつての希望と正反対になった人をたくさん診てきました。
そうした想いから、近藤誠さんと往復書簡を記した本ができた。

昨日のダブル講演は、いわば出版記念講演のようなものでした。
なんと300人もの方が会場に来られて、ビックリしました。
これは大洲市にしては大変な人数だそうです。

認知症について、がんについて、尊厳死について、いろいろな
お話をして、最後にみなさんでグループワークもしました。
愛媛県には何度も来ていますが、いちばん賑わった会になりました。

もちろん、現場と掛け持ちの身なので日帰り。
毎度のことですが、不思議なことが起こりました。
2件のお看取りがありました。

1件は午前6時台で、2件目は午後7時台。
飛行機に乗る前に看取り、飛行機から降りたらまた看取りへ。
どうしてこんなになってしまうのでしょうか?

私はすべての在宅患者さんのファーストコールを持っています。
24時間、365日携帯電話から離れることは一切ありません。
たとえ海外出張中でも、携帯電話には出ます。

昨年11月には、アメリカのシカゴに1週間、学会出張しました。
ファーストコールは私ですが、もちろんセカンドコールの医師にも
お願いして、万全のバックアップ体制を整えて海外に出ました。

週に2例くらいの割合で在宅お看取りがあるのですが、出張中の
1週間はたいへん珍しいことに、看取りはゼロでした。
しかし帰国した途端に、本当に携帯電話が鳴り始めました。

尼崎に着いた瞬間から、その晩に3人の旅立ちがあったのです。
なんだか私を待ってくれていたようで、不思議な気分でした。
しかも時差ボケもあったので、眠らなくても平気な夜でした。

昨日もまったく同じで、2人とも私を待っていたかのようでした。
『平穏死』10の条件」も2012年元旦のお看取りから話が始まる。
本当にどうしてかまったくわかりませんが、不思議なことが続きます。