《1823》 なぜ放射線治療より抗がん剤治療なのか [未分類]

がん医療、ここが分からないシリーズ・16

Q. 抗がん剤よりも化学放射線療法のほうが副作用は少ない?

ある本を読んでいたら、抗がん剤治療と放射線療法の延命効果はほぼ変わらないと書いてありました。

それならば、副作用のない放射線療法のほうが俄然良いような気がするのですが、どうして日本の医療では、抗がん剤治療のほうに圧倒的にウェイトが置かれているのでしょうか? 不思議でなりません。


A.
 私は放射線治療に関してまったくの素人なので、以下の意見は偏った見方かもしれません。
   ただ結論から言って、日本のがん医療は、抗がん剤に偏りすぎていると感じます。

   抗がん剤は全身療法ですが、放射線治療はほぼ局所療法で、全身へのダメージはまだましです。
   もちろん骨髄抑制などの副作用が懸念されますが、それでもまだ副作用は軽いものと思います。

   抗腫瘍効果も抗がん剤と比べて決して遜色ありませんし、場合によっては上です。
   では、なぜそんなにいい放射線治療が、抗がん剤に比べてマイナーなのでしょうか?

   放射線医は、放射線診断医と放射線治療医に分かれていますが、
   圧倒的に放射線診断医が多く、放射線治療医は不足しています。

   なぜか?
   単純に放射線治療医が儲からないからでしょうか?

   正確に言うならば、放射線治療の診療報酬が低いからではないでしょうか。
   医療機器は目玉が飛び出るほど高価でも、治療を担う医師の評価はビックリするほど低い。

   また、抗がん剤は製薬会社に支えられている側面がありますが、放射線治療には応援団は少ない。
   治療医自体が少ないことに加えて、あまり厚遇されてされていないような気がします。

   機械には何億、何十億円というお金を払う割には、治療医への評価があまりに低いのでは。
   だから抗がん剤派(化学療法医)に比べて、存在感が薄いような気がしてなりません。

   諸外国のように国家を挙げて放射線治療をもっと推進すべきだと思うのですが……
   以上は町医者の勝手な思いこみかみしれませんが、私はそう思っています。