《1837》 がんとうつ病、どちらを先に治せばいいか? [未分類]

がん医療、ここが分からないシリーズ・30

がんとうつ病、どちらを先に治せばいいか?

Q. 60代の母が子宮がんの抗がん剤治療をして3カ月、うつ病と診断されてしまいました。

抗がん剤の副作用で食欲がないのかと思ったら、うつ病のせいのようです。毎日「死にたい」と言っています。眠れなくて先日は睡眠薬をたくさん飲んでしまうということもありました。

主治医は「精神科の治療と平行で」と言いますが、母ひとり娘ひとりで、仕事と母の世話をしている私も正直辛いです。そんな簡単に言ってくれるな! と思わず叫びたくなりました。

抗がん剤を続けながらのうつ治療……どちらを優先するべきですか?


A.
 ああ、そんな人が、実際に時々おられますね。
   がん治療によって、うつ病になってしまった方です。

   希死念慮という兆候は、町医者として決して見逃すわけにはいきません。
   「死にたい」は「もっと生きたい!」と同じであるからです。

   うつとともにあるスピリチュアルペインに目を向けないといけません。
   私なら、まずはお母さんのお話を、たっぷり時間をかけて聞きます。

   10聞いて1つ質問を発するでしょう。
   「これから、どうしたいのかな?」

   また沈黙されるかもしれませんが、じっとそばに居るでしょう。
   次の言葉が出るまで、沈黙のなか、じっと待っているでしょう。

   こうした場合、抗がん剤はやめなければならない、と私は考えます。
   しかし現実には、ご質問のように精神科と平行して続行されることが多い。

   私は大反対です!
   絶対に、休ませるべきです!
   
   そもそも精神科の医師が、がんを治せるわけではない。
   抗がん剤の医師は精神科医という「保険」をかけて抗がん剤を続けたいだけでは。

   こうしたがん医療が続く限り「がん医療に殺される!」という本が売れ続けます。
   がん医療界は大いに反省すべきだと思いますが、町医者の声など全く届きません。

   お役に立てなくて申し訳ありません。
   ただ拙書「抗がん剤・10のやめどき」を、大いに参考にしてください。

   PS)

    GWも仕事です。
    在宅医療は、365日24時間なので仕方がありません。