《1895》 非がんの痛みにはモルヒネの頓服から [未分類]

昨日は、東京日比谷で一般社団法人エンドオブライフ・ケア協会の
設立記念シンポジウムが開催され、私も4人の理事の一人として登壇。

会場は満席で、北海道から奄美大島まで全国各地から集まった医師や
看護師やケアマネやMSWや一般市民らが、熱心に議論をしました。

私は「2025年問題と平穏死」というテーマで講演をしました。
もちろん、日本での緩和ケアの遅れについてもお話をしてきました。

さて、今日は加藤佳子先生がはじめられた「山形大学方式」について
ご紹介させてください。

通常、がんにおいては強い痛みがある時は、WHO方式に従って麻薬の規則正しい
時間服用が必要ですが、非がんの痛みの場合は少し使い方が違うという話です。

山形大学方式では、最初からモルヒネ錠(10mg)を痛い時だけに服用
するというのですが、実は私も外来で非がんの痛みにはそうしていました。

  1. 病歴聴取と情報提供は詳しく
    中等度以上の痛みにはモルヒネがいいことを説明します。
    モルヒネは国が承認している医療用麻薬であり、法律で使用が禁じられている
    不正麻薬ではないことを十分に説明します。

  2. 図やパンフレットを活用して説明します。
  3. 痛みは患者さんにしかわからないので、痛みの治療の効果も患者さんしか
    判定ができないことが、痛み治療の基本原則とします。
  4. 痛みが来そうになったときに、まず1錠を内服して、痛みが残っていたら
    1時間後に1錠追加します。効果は10~15分後に現れるので、1時間
    たっても痛みが残っている時は、さらに1錠追加します。この方法で、服用当日
    からほぼ満足できる除痛効果が得られます。
  5. 電話で服薬管理をして、自己管理を支援します。
  6. 患者さんには服用時刻と量を記録してもらい、外来受診の際に持参してもらう。

上記の方法で、加藤佳子先生は26年間に889人の非がんの患者さんの治療を
行ったそうです。

整形外科疾患、帯状疱疹・帯状疱疹後神経痛、糖尿病性神経痛などが対象です。
有痛期間が1年未満の患者さんで80%、1年以上では20%がモルヒネ治療を卒業。

発病後4週間以内にモルヒネ内服を開始した患者さんは、すべて痛みが取れて治療終了。
重症帯状疱疹では、発疹が出た時からモルヒネの内服治療を開始するそうです。

つまり、早期にモルヒネで治療開始した人ほど、早く服薬を卒業できるということです。
痛みが消えているのにモルヒネを内服し続ける依存症や慢性中毒の人は一人もいない。

がん以外の痛みに豊富な臨床経験を持つ医師は、あまりいないのではないかと思います。
モルヒネのイメージが少しでも変わり、痛みから解放される人が増えることを祈ります。

《参考文献》 あなたの痛みはとれる(日本尊厳死協会編)