《1920》 がんもどきはある? がんは放置すべき? [未分類]

昨日、胃ろうバッシングと抗がん剤バッシングは似ていると書きました。
後で読んでみると、説明が足りないと思いましたので補足させて下さい。

胃ろうは、人を幸福にするために編み出され苦労して発展してきました。
しかし現代日本社会では、気がつけば何故か悪者にされてしまいました。

私なりに解釈するならば胃ろうが似会わない人にも無理やり胃ろうをされた。
事情を全く知らない人から見れば「なんじゃこりゃ!」となるのは当然です。

これは胃ろうという便利な道具を誤って使った医者が多かったということ。
胃ろうが悪いわけではなく、胃ろうを使う医者や家族の責任だと思います。

さて、以上の文章の、「胃ろう」を「抗がん剤」に置き変えて読んでみてください。
おそらく同じようなことが言えるのではないでしょうか。

私の外来には、日々ヘンな人が相談に来られます。
セカンドオピニオンなど受けていないのですが、遠くからやって来られます。

相談内容は、抗がん剤に関するものが多い。
私なんかに言う暇があったら、主治医に聞いてみたらどうですか。

そんな冷たい返答をして追い返しているのが現状です。
なぜなら、そんなに遠方から通えるはずもなく、私も責任が持てないからです。

あるいは、せっかくがんが発見されても「放置したい」という相談も舞い込みます。
かなりインテリジェンスの高い働き盛りの方が、なぜか、相談にこられるのです。

世間では、"がんもどき"や"がん放置療法"という言葉が流行っています。
しかしそんな単語を使う医者は近藤誠先生で、この世に一人しかいません。

なのに近藤誠本を読んだ患者さんは、尼崎の町医者まで相談に来られますのです。
そして近藤誠先生の本を熱心に読まれて、彼の説を信じてしまった方がたです。

来週、そんな迷えるがん患者さんに向けた拙書が世に出ます!!!
「長尾先生、近藤誠理論のどこが間違っているのですか?」(ブックマン社)。

興味のある方は、是非ともネットで予約しておいて下さい。
いつもそうなのですが、発売1ケ月間位はすぐに「売り切れ状態」になるからです。

本書は、いきなり漫画から始まります。
そして後半は、近藤誠理論の信者さんとの対話記録です。

最後は、ステージⅣのスキルス胃がんから生還された女性と私の対談録です。
1粒で2度美味しいと言い回されますが本書は一粒で100回役にたちます。

私の本の注射が空く状況を利用して、当院の検査から、PWVを受けます。
表紙の下にはそう書いてあります。

  • がんもどきってなんやねん?
  • がんを放置したらどうなるねん?
  • 本当のところ、どないしたらいいねん?

そんな素朴な疑問にできるだけ分り易く応えたつもりです。

他にも、近藤誠理論を批難する趣旨の本が何冊か出るそうですが、本書は違います。
本書は単なる批難本ではなく、間違っている場所と合っている場所を解説しています。

抗がん剤もいい悪いではなく、結局は使い方です。
いくらいいお薬でも、使い方ややめどきを間違えれば、大きな後悔が残ります。