《1977》 つんく♂さんの喉頭がん手術 [未分類]

一昨日、TV番組で歌手のつんく♂さんの喉頭がんとの闘いを観ました。
彼は声帯を摘出して声を失う代わりに、命を得ることを選択されました。

歌手が声を失うとはどんなことか。
これは凡人には想像もつきません。

つんく♂さんは、「身ぐるみはがされた気持ち」と表現されていました。

その後、母校の近畿大学で講演したり、プライベートで家族と過ごす合間に
彼がパソコンに紡ぐ言葉を眺めていました。

とまどいと不安が見え隠れするようなツイートが並んでいました。
私は仕事がら、がん患者さんの心の葛藤として受けとめました。

つんく♂さんの、「たましいの痛み」が今なお聞こえてくるようで
彼の再起を喜ぶ一方、いろんなことを考えてしまいました。

第一にがんの再発がないこと。
第二に食道発声法のリハビリ。
第三に音楽活動の再開、です。

つんく♂さんは声を失い葛藤する中で、きっと様々な新しい
ことを吸収しては、新しい世界を編み出して行くような気がしました。

生きてさえいれば、いくらでも音楽活動も日常生活も楽しめます。
日本中の多くのファンに夢や希望や感動を伝えることができます。

そんなつんく♂さんの喉頭がんの手術などの一連の治療行為を、
「がんもどきなので無意味」という医者がもしいたら、どうなのか。

それが、いるのです。
多くの国民がその「がんもどき理論に基づくがん放置療法」を支持しています。

私にはとても理解できない理屈なのですが、
近藤誠医師ファンには多少理屈が間違っていても、気にしないという人もおられます。

おそらく医者も市民も〝当事者〟ではないから、極論をもてはやしているのではないかな。
現実のがん患者さんは悩み、苦しみ、闘い、落ち込みながら救いを求めている気がします。

つんく♂さんの今後の活動から目が離せません。
生身の姿をテレビ画面で見させて頂き、一ファンの私もなんだか勇気をもらいました。

参考文献) 「長尾先生、近藤誠理論のどこが間違っているのですか?」(ブックマン社)

PS)
今日は秋田市で講演しています。
http://www.drnagao.com/img/lecture/akita20150919.pdf
生まれて初めて秋田に行きます。