《0853》 ウサインボルト選手の側弯 [未分類]

2大会連続、100と200mを制したボルト選手のお話。

体が大きいから速いのかと思っていましたが、誤解でした。

彼は、もの凄い努力で、大きな試練を乗り越えた偉人です。

 

彼は、相当な「側弯」です。

背骨が、大きく湾曲しているのです。

外から見ても明らかに背中は非対称。

 

走る時の歩幅は、左右で20cmも違う。

骨盤も傾いています。

当然走る姿勢も、傾いています。

 

必ず無駄な動きが生じます。

短距離ランナーとしてはかなり不利なハンデイー。

そのハンデイがあったからこそ、彼は努力できた。

 

彼は、スタートが大の苦手。

第1歩目の着地は、他の選手より0.05秒遅い。

スタートの練習のしすぎで、太腿の筋肉を痛めました。

 

世界選手権は、まさかのフライングで失格。

スタートへの焦りがあったのでしょう。

1ケ月前のジャマイカの国内予選でもライバルに敗退。

 

まさに、背水の陣で臨んだロンドンオリンピックでした。

スタートのことは忘れて、後半のスピードに集中しました。

自分の欠点を忘れ自分の長所をイメージして勝ったのです。

 

ボルト選手は、自分の短所を長所で見事に補いきりました。

短所があるからこそ、長所を伸ばすことができたのでしょう。

あの強靭そうに見える肉体にも驚くべき課題があったのです。

 

実は、私自身も相当な側弯です。

足の長さも左右で2cm位違います。

レントゲンを撮ると驚く位、骨盤も傾いています。

 

左足がよくつまづきます。

靴底の減り方も、左側が極端に酷い。

だから垂直に立つことができません。

 

ところで、側弯は、障がいでしょうか?

障がいだと思うと障がいになるのかもしれません。

しかし完璧な人間などこの世に存在しませんよね。

 

欠点は長所でカバーできる。

ボルト選手はそれを証明してくれました。

あの独特のポーズは、彼が自分に勝った喜びなのでしょう。